2022.07.19

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支援者の知識不足が障がい者虐待の原因に!虐待の特性を学ぶ

こんにちは!

障がい者虐待とは、支援者にとってとても身近なテーマです。支援者や利用者が意識していなくても障がい者虐待が行われることがあり、虐待は利用者に深い傷を残します。そのため、支援者は障がい者虐待を防止するための方法を学んでいくことが重要です。

今回は、そんな障がい者虐待の概要や虐待が起きる原因について解説します。日常的に利用者を直接支援しているけど、虐待をしてしまわないか不安な方におすすめの記事です。障がいのある方に対して無意識的に虐待を行ってしまう背景には、支援者の知識や自己管理のスキルの不足が挙げられます。まずは、何が虐待にあたるのかについての理解が求められます。

障がい者虐待は、障がい者が他者からの不適切な扱いにより権利利益を侵害される状態や生命、健康、生活が損なわれるような状態におかれることです。利用者に対して殴る蹴るや暴言を吐くといった直接的な攻撃だけではなく、必要な支援を行わないことや彼らの財産を勝手に使ってしまうことも虐待に該当します。このような虐待を行わないためにも、まずは何が虐待に当たるのかやどうして虐待が起きてしまうのかについての理解が求められます。

今回は障がい者虐待の概要と原因について解説します。

障がい者虐待

そもそも、障がい者虐待とは障がい者が家族や支援者、企業の上司から行われる権利侵害や健康が損なわれるような不適切な取り扱いを行い心身を傷つけるものを指します。

正確な定義については以下の通りです。

「障害者福祉施設従事者等による障害者虐待」とは、障害者福祉施設従事者等が、当該障害者福祉施設に入所し、その他当該障害者福祉施設を利用する障害者又は当該障害福祉サービス事業等に係るサービスの提供を受ける障害者について行う次のいずれかに該当する行為をいう。
一 障害者の身体に外傷が生じ、若しくは生じるおそれのある暴行を加え、又は正当な理由なく障害者の身体を拘束すること。
二 障害者にわいせつな行為をすること又は障害者をしてわいせつな行為をさせること。
三 障害者に対する著しい暴言、著しく拒絶的な対応又は不当な差別的言動その他の障害者に著しい心理的外傷を与える言動を行うこと。
四 障害者を衰弱させるような著しい減食又は長時間の放置、当該障害者福祉施設に入所し、その他当該障害者福祉施設を利用する他の障害者又は当該障害福祉サービス事業等に係るサービスの提供を受ける他の障害者による前三号に掲げる行為と同様の行為の放置その他の障害者を養護すべき職務上の義務を著しく怠ること。
五 障害者の財産を不当に処分することその他障害者から不当に財産上の利益を得ること。
(引用:障害者虐待防止法)

障害者虐待では、支援者や利用者が無意識だとしても、不適切な取り扱いを行い心身を傷つけるのならそれは虐待に当たります。支援者が「これは指導の一環だから虐待ではない」として認識していても、利用者が「僕が支援者を怒らせたから悪口を言われるのは仕方ない」と思っていても虐待は虐待です。障害者虐待についての正しい理解が無ければ虐待を無くすのは困難です。

障がい者虐待の5つの類型

支援をする上で、障がい者虐待の5つの類型について押さえておくべきです。

身体的虐待

身体的虐待とは、利用者に対して暴力行為や利益にならない行為を強制させることを指します。しつけや教育と称して殴る蹴るといった暴力行為や食事の際に本人の意思を無視して支援者の都合で口に入れて食べさせること、部屋に閉じ込めることが挙げられます。また、スピーチロック(言葉がけによる身体的、精神的行動抑制)やドラッグロック(薬物の過剰投与、不適切な投与による行動抑制)などの職員が言葉や薬で行動を制限することも身体的虐待に該当します。(参考.平成30年度埼玉県障害者虐待防止・権利擁護研修)

性的虐待

性的虐待とは、あらゆる形態の性的な行為又はその強要を指します。例えば、利用者に対してキスや過度な接触を行おうとすることや本人を裸にさせ、それを映像や写真に撮ることが挙げられます。このような直接的なもの以外にも、本人の前でわいせつな言葉を発することや、利用者の排泄支援やおむつ交換を人前で行うことも該当します。

心理的虐待

心理的虐待とは、威嚇・侮辱的な発言や心理的外傷や孤立感を与える好意を指します。例えば、日常的に「バカ」「あほ」といった侮蔑的なことや「施設から追い出すよ」「ここ(施設)にいられなくなるよ」と脅しと捉えられる発言であったり、必要の無い無視などが挙げられます。このようなコミュニケーションの場面だけではなく、面会者が訪れても、本人の意思や状態を無視して面会させないことや利用者の顔に介助の際に恐怖感を与えるなども心理的虐待になります。

放棄・放置

放棄・放置とは、必要とされる支援や環境を用意しないことが挙げられます。例えば、発熱や嘔吐の症状があるのに受診や医療的対応を行わないことや施設内のゴミを放置していることがあります。また施設内の問題を放置することも放棄・放置にあたります。他の利用者に暴力を振るう利用者に対して、対策を講じないことや利用者からの要請に対して「ちょっと待ってください」と言いながらも対応しないことが挙げられます。

経済的虐待

経済的虐待とは、本人の同意無しに財産や金銭を使用し、本人の希望する金銭の使用を理由なく制限することです。例えば、利用者が所有する不動産を勝手に売却することや貸し出すことであったり、施設に対して寄付を強制することが挙げられます。利用者の財産を管理する場合は、本人の同意を正確に読み取る必要があります。威圧的な態度で同意を得たとしてもそれは本人の同意を得ていないと解釈される場面があります。

これ以外にも、利用者に対して不適切な行為は虐待にあたります。「書いていないからこの行為は虐待では無いだろう」ではなく「この行為は利用者を傷つけてしまうかも」と自分の行動一つ一つを意識していく必要があります。

次に、そのような障がい者虐待が起きる原因について述べていきます

支援者の知識や技術不足が虐待につながる

支援者は知識や技術不足から障がい者虐待を行ってしまいます。虐待とは、必ずしも「こいつを苦しめてやろう」と思って行われるものではありません。「教育のつもりだったがやりすぎてしまった」「イライラしていて口調が悪くなってしまった」のように、構造的な要因が虐待につながってしまいます。

このような構造的な要因は、2種類あります。

1つ目は、支援に関する知識の不足です。障害特性や支援方法についての知識不足は、本人に不敵な支援を提供することにつながります。例えば、自閉症の特性を知らなければ、利用者のこだわり行動に対して「作業からサボるためにやっているのでは無いのか」と誤った理解をしてしまいます。そうした理解では特性に合った支援は行われず結果として虐待に発展してしまう場合もあります。

2つ目は、ストレスや感情コントロール技術の不足です。支援者が自分の気持ちを管理できずに支援することは突発的な虐待につながります。障害特性から利用者とのコミュニケーションが上手くいかなかったり、支援の効果が中々現れない時があると思います。そのような時に、ついカッとなって暴言を吐いたり暴力を振るうことも障がい者虐待です。支援者は、そうした自分のストレスや感情をコントロールすることが求められます。

以上の2種類の原因によって、利用者に対して虐待する気が無くても、障がい者虐待を行ってしまうリスクを高めることになります。支援者は、虐待を防止するためにもこの二つの力を高めていく必要があります。

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今回は障がい者虐待の概要と原因をご紹介しました。

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