2022.07.01

ブログ

強度行動障がいのある利用者支援②-強度行動障がい者とのコミュニケーション-

こんにちは!

強度行動障がい者への支援は、障がい者支援の中でも難易度が高いと言われています。強度行動障がい者への支援は、他の障がい種と比べても知識や技術が求められます。そのため養成研修が各都道府県で行われています。

本シリーズでは、3回に分けてそんな強度行動障がいの症状や支援方法について解説します。強度行動障がい者をこれから支援するけど、分からないことがある方におすすめの記事です。

今回は強度行動障がい者とのコミュニケーション方法について解説します。障がいがある方のやってほしいことや知ってほしいことを伝え、彼らの考えを理解するためには、支援者が彼らの障がい特性に適したコミュニケーションを実践することが求められます。

強度行動障がいがある方は、自分の考えを言語化することができなかったり、支援者の言葉を理解することが難しい時があります。例えば、支援者に対してイライラしているのに、その気持ちを暴れることでしか表現できません。また、支援者の指示を誤って理解したり、理解できないために怒られてしまい、イライラにつながることもあります。このような場面には彼らのコミュニケーションが苦手という特性が深く関係しています。

今回はその強度行動障がい者とのコミュニケーション方法について解説します。

強度行動障がいとは

そもそも、強度行動障がいとは自閉症や知的障害の人が示す激しい行動で、強度のこだわり、自傷、他害、破壊、パニックなどが挙げられます。

正確な定義については以下の通りです。

『精神科的な診断として定義される群とは異なり、直接的他害(噛み付き、頭突き等)や、間接的他害(睡眠の乱れ、同一性の保持等)、自傷行為等が通常考えられない頻度と形式で出現し、その養育環境では著しく処遇の困難な者であり、行動的に定義される群』

(引用:行動障害児(者)研究会、1989年)

強度行動障がいとは、生まれつきの障がいではなく、自閉症者や知的障がい者が後天的になる障がいです。彼らの障がいに対して適切な支援ができていないことが強度行動障がいにつながります。

自閉症の3つの障がい特性について

支援をする上で、押さえておくべき自閉症者の障がい特性は3つあります。

こだわりの行動がある

自閉症者は、特定の物や動作にこだわる行動をすることがあります。例えば、同じ本を何度も読み直すことや、電車で同じ席にしか座らないことが挙げられます。自閉症者にとって、こだわり行動が出来ないことは大きなストレスです。作業の時間のため本を読むことが出来ない、お気に入りの席に既に誰かが座っていることが挙げられます。

コミュニケーションが苦手

自閉症者の中には言葉を理解することや自分の気持ちを言葉で表現することが苦手な人がいます。例えば、比喩をそのまま受け止めてしまうことや、言葉の言い回しが独特で相手に理解されないことが挙げられます。(参考:強度行動障害支援者養成研修【基礎研修】.2014)

社会的関係の理解が困難

自閉症者は周囲の状況や職員の表情を読み取って行動することが苦手な時があります。例えば、周囲の人々が作業をしているから自分も作業をしようと思い行動することや、どこに自分が座ればいいのか何をすればいいのかが分からないということが挙げられます。

本日は、自閉症者とのコミュニケーション方法について述べていきます。

自閉症者の特性や意図を汲むことが支援者との相互理解に有効

自分の意見を利用者に伝えることや、利用者の考えを上手く理解できないことがあると思います。そのような時は、自閉症の特性にあったコミュニケーションができていない可能性が高いです。利用者と相互理解を図っていく上で、特性に合ったコミュニケーションが有効です。

特性に合ったコミュニケーションは大きく分けて、2種類あります。

1.視覚的なコミュニケーション

1つ目は、視覚的なコミュニケーションです。口頭で伝えるだけではなく、絵や図を用いて伝えるコミュニケーションが有効です。例えば、事業所での1日の過ごし方についての時間割を作成することや、掃除をして欲しい時に予定表に掃除道具の写真を貼ることが挙げられます。

例:事業所での1日の時間割を作成することで、より伝わりやすい

2.相手なりのコミュニケーションを理解する

2つ目は、相手なりのコミュニケーションを理解することです。自分の意見を表現することが苦手な利用者の体の動きや独特な言い回しに注目することが重要です。突然の発声や手をたたく等の行動を含め、独特な言い回しや行動等には彼らなりの意図があります。この意図を読み取ることが利用者の考えを理解する一助になります。(参考:発達障害教育推進センター)

例:「突然の発声・手をたたく」等の行動への彼らなりの意図を読み取る

以上の2種類のコミュニケーションを行うことで、支援をする上で利用者と円滑なコミュニケーションを行うことができるようになります。

Special Learningでは、障害者支援に役立つ知識を学べる!

今回は自閉症のある利用者のこだわり行動への対応方法をご紹介しました。

自閉症者への支援以外にも障害者施設で働く上では、知的障がい者への支援や介護方法など学ぶべきことが多数あります。

Special Learningでは、このように障害者施設で働く上で役立つ動画教材を700本以上配信しています。

今回紹介した強度行動障がいに関わる動画についても、計22本の動画を視聴可能です。

Special Laernigでは全ての動画をご視聴いただける14日間の無料トライアルを実施しております。

ご興味がありましたら、ぜひ無料トライアルをご利用ください。

お問い合わせ先
株式会社Lean on Me(リーンオンミー)
電話番号:072-648-4438