2019.07.11

Special Learning 認定事業所

Special Learning導入施設様のご紹介Vol.1

今回、東京都大田区で障がい児や障がい者への支援を行なっているNPO法人みんなの家様へお邪魔致しました。

 

(左:みんなの家 小野様 右:弊社代表 志村)

-本人からのSOSに先回りをして支援をしたい-

志村)本日はよろしくお願いいたします。スペシャルラーニングの導入のきっかけや、貴施設に関して色々お伺いさせてください!

小野)こちらこそよろしくお願いいたします。

 

志村)ではまず、事業所のご紹介をお願いいたします。

 

小野)現在4つの事業を展開しております。知的障がい児の放課後デイサービスと小学生から利用できる短期入所。

移動支援と居宅介護。この2つは1つの事業として展開しています。

最後に未就学の知的障がいを抱える親御さんの支援を行なっております。

 

志村)他の施設にはない、ここが強み!という点があればお聞かせください。

小野)スタッフですね。

活動を始めて20年が経ちますが、放課後デイサービスを運営されている他の事業所様よりも知的障がい児へのノウハウがあると思っています。そのノウハウを活かしたスタッフの対応の引き出しも多いですし、何より新人スタッフにも積極的にノウハウを落とし込んでいます。

 

志村)どうして知的障がいに特化しているんですか?

 

小野)設立時の責任者の家族に知的障がいを抱える方がおり、とても「生きづらさ」を感じていることを知りました。

様々な障がいがある中で、知的障がいの方は特に、本人からSOSを発しつらいということを知り、知的障がいに特化させようと思いました

 

志村)利用されている方の中にはどういった障がい特性が多いですか?

 

小野)自閉症スペクトラムの方が多いですね。他にはダウン症の方や強度行動障害の方が多いです。比較的軽度の方よりかは重度の方が中心に利用されておられます。

 

志村)これまでのノウハウを活かせるからこそ、重度の方を多くお迎えすることができるんですね。

 

小野)そうですね。

-学生時代に経験した違和感が、障がい福祉業界を志すきっかけになった。-

志村)ところで、小野さんが障がい福祉の道へ進まれたきっかけはなんですか?

もともと障がい福祉に関心がお有りだったんですか?

(人権保護の観点から障がい福祉の道を志したという小野様)

 

小野)実はもともと障がい福祉に強い関心があったわけではないんです。

大学生の頃、休学をして海外でボランティア活動を行っていた時期がありまして。

パレスチナやチェチェン共和国など紛争地帯を訪れた際、強烈な違和感を感じました。

 

志村)違和感ですか?

小野)はい。人権を脅かされる事が日常茶飯事であることを目の当たりにしました。

普段僕たちが生活している中で人権を脅かされる事なんてそうありませんよね。

日本に置き換えた時、誤った認識によって差別を受けている障がい者を守りたい、正しく支援したい。そう思い、障がい福祉の道を志しました。

 

志村)では、その経験を経て、障がい福祉の道へ進まれたんですね。

 

小野)それが実は違いまして。

最初は一般企業に勤めた後に福祉業界へ進みました。福祉業界だけではなく、より世間を知るためにも一般企業で社会経験を積もうと思いました。

この経験は今でも活きていると思います。一般企業のやり方など福祉の業界にも落とし込めないか、そんな思いで日々新しい情報を取得しています。

 

-施設の為になることなら、積極的に取り入れたい。-

志村)ありがとうございます。そんな中でスペシャルラーニングを知っていただけたわけですね。

小野)そうなんです。施設が良くなるなら新しいものを導入しようという思いは強いですね。

 

志村)スペシャルラーニングはこれまでの研修方法と比較されて如何ですか?

 

小野)これまでの主な研修は、常勤スタッフが外部研修に参加し、施設へ情報を持ち帰り内部のスタッフに落とし込むという流れでした。その他は施設へ講師の方を招いての内部研修です。

ただ、研修に参加できなかったスタッフに、資料だけだと質疑応答に関しての情報が伝えられなかったり情報格差がどうしても生まれてしまいます。

採用面では未経験で全く知識がない方を積極的に受け入れていますが、何年かたつと障がい特性の知識が必要になります。

1年目のスタッフと10年目のスタッフが同じ研修を受けた時に咀嚼の力が全く違うと感じています。

経験年数によって階層別に受けさせるしくみ作りが重要ですが、

スペシャルラーニングはスタッフの階層ごとに学べたり、同じ情報を普遍的に学べるといった点で非常に効果的だと感じました。

 

志村)ありがとうございます。実際に受講された皆様の反応は如何でしょうか。

 

小野)新しいものを積極的に取り入れてきているので、反応は好感触です。

視聴の際、気になったところを繰り返し試聴できるので知識の習得に役立っています。

 

志村)ありがとうございます。今後も現場のニーズに沿ったコンテンツを増やしていきますので、よろしくお願いします。

 

 

-私たちには学齢期の子どもたちと接する責任がある。-

志村)今後の業界のあり方、施設の今後の課題を教えてください。

 

小野)業界としては、もっと開かれた場であってもいいかなと思います。

他の法人さんを詳しく知っているわけではありませんが、利用者さんが施設の中だけで過ごす施設もあると聞いた事があります。

利用者さんと社会との接点をもっと増やすべきだと思っています。

当施設では、電車やバスで児童館に行ったり積極的に外に出るようにしていますが、周囲の視線から、まだまだ障がいへの正しい認識が浸透していないと感じることがあります。

また、テレビなどで得たイメージが先行してしまっているケースもあります。

当たり前ですが、障がいのある方お一人お一人に個性があります。そんな中で、主語が障がいの名前になるのはおかしいと感じています。

志村)障がいについて地域はもとより社会として理解を進める必要性がありますね。

みんなの家さんでの今後の課題があれば教えてください。

 

小野)課題としては人材の育成です。

例えば就業が週2のスタッフと週5のスタッフですと、2年~3年たつと実力も知識量も違います。

どういった方と接してきたかによっても違いがある。習熟度の足並みを揃えないといけないと感じています。

季節や取り巻く環境、いろんな要素によって日々変わる心情に対して適切な支援をするためには、子どもたちのことを本当に知らなければいけません。

それが学齢期の子どもたちと接する私たちの責任だからです。

振り返ると、もう少しできたんじゃないかなと思うこともあります。

教育面でいつも話すのは、子どもたちのことを1から100まで覚えるようにということです。その上でどのように支援を組み立てられるのか…。

学童保育クラブという名前になっているので、楽しく過ごすだけのイメージを持たれがちですが、職員全員が強い責任感を持って支援できるように取り組んでいきたいです。