一般企業に勤める「障がい者虐待」の状況 #1

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障がい者雇用現場の虐待

厚生労働省から公開された、平成27年度『使用者による障害者虐待の状況等』の考察です。

通報・届出は34.5パーセント増加

ここでの通報・届出は3つのカテゴリーに分けられます。

  1. 都道府県からの報告
  2. 労働局等への相談
  3. その他労働局等の発見

数字から読み取れること

1.「都道府県からの報告」は前年度と比較して60.8%の増加で193事業所

  • 行政側も意識して「障がい者の雇用」に目を向け始めたとみてとれます。

2.「労働局等への相談」は前年度と比較して27.6%の増加で846事業所

  • 一緒に働く人たちも少しずつ障がい者が虐待されている環境に対して声を上げているということだと思います。

3.「その他労働局等の発見」は前年度と比較して41.6%増加して286事業所

  • これは、労働局が監査時に意識して「障がい者の雇用」に目を向けているということだと思います。

以上をまとめると

行政や一緒に働く労働者は障がい者の虐待に対して目を向け始めたというのがこの結果から読み取れました。


届出の対象となった障がい者も増加

1.前年度は1276人に対して、今年は1926人(前年度比50.9%UP)

  • 報告の全体件数が上がっている証拠。障がい者について注目され始めたことで報告件数が上がっていると考えられます。
  • または、虐待の解釈が広くなり、今までは見過ごされていたことを虐待と見て報告することで件数が増えたということも考えられます。

2.この中で最も多かったのは「経済的虐待」に該当する届出が前年度811人に対して、1310人(61.5%UP)

  • この「経済的虐待」は、最低賃金を下回る会社に勤めて虐待となるケースのみになります。
  • 中には、障がい者へ対して給与やお金についての説明をちゃんとせず、誤魔化してしまう経営者もいるのが現状だと言えます。

どういった業種や、どの規模の事業所での虐待が多いのか?

まずは業種編

第3位 卸売業、小売業

ここでは49名(全体の9.7%)とそこそこ少ないように見えるが、卸売業や小売業はなかなか労働環境が整備されにくい業界である。そういった危険な業界なのでそもそもの就業人数が少ない可能性もありえる。

第2位 医療、福祉業

ここではどういったケースの虐待が多いのかそこまではっきり見えませんが、医療の業種で就業されている方の虐待の現場が想像がつきません。この福祉業ってのがキーポイントなのかな?医療の現場で虐待はあるのかな?

第1位 製造業

栄えある第1位は製造業です。製造業は1分1秒の世界、そして担当部署によっては1000分の1ミリの精度を求められるところもあります。その物の出来栄えで、返品、さらに素材の買い足しといった、かなりリスクの高いものになってます。まさに「職人」の世界です。そして「職人」の世界で必要なのは、熟練の専門的な技術が求められます。そのようなシビアな環境でトラブルがあるのは日常茶飯事なのではないのでしょうか?

この結果と関連して考えたいのがその業界で働いている人数の分母です。業界で何人勤めていて何人が虐待を受けているのか?非常に興味深いですね。

会社の規模編

かなり面白いデータになってます。会社の規模が一定ライン(就業人数)を超えるとほとんど虐待が発生していない状況になってます。

そのラインとは「就業人数が300人を超えるか超えないか」です。

要するに「零細企業」や「小規模企業」では虐待の発生件数が98.2%

300人以上の「中規模企業」「大規模企業」では障害者虐待件数の1.2%です。

明らかに事業規模が小さいと障がい者に対する虐待が発生する件数が多いです。

考えられる理由としては「コンプライアンス」という概念がないこと

だと思われます。

参考資料 厚生労働省プレスリリース

平成27年度「使用者による障がい者逆他の状況等」

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