2016.12.15

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0から学ぶダウン症 Part4 ー学校教育ー

みなさまこんにちは、CRMのタケです。
そろそろお名前覚えていただいてきたころでしょうか。一人でもそういう方がいらっしゃってくれれば今日も楽しく記事を書いていけるというものです。

世間ではもういくつ寝るとお正月ですね。もうお年玉をもらう年齢からは外れてしまったので特別に年末にわくわくする理由もないのですが、それでも普段より少しにぎやかな雰囲気にあてられてなんだが気持ちが昂ったりします。おせち料理があれ不思議なもので年々おいしく感じるんですよね、お雑煮もおいしいし、お正月はそんなのが楽しみです。

今日は前回に引き続き療育のお話ですが、少し年齢が進んで学校での教育についてのお話がメインとなります。以下より本文です。

 

 

統合教育

統合教育とは、健常児と一緒の場所で、同じ内容の授業を、同じ待遇の下で受ける教育です。人間はみんな周りの人がすることを真似ることで何かを覚えていきます。それは例えばことばであったり、体の動かし方であったり、人との振る舞い方であったり、社会性そのものを学ぶこともそのうちの一つです。統合教育の良いところはまさしくここにあると思います。生活面の様々なところで、共同体の中の人々はお互い知らず知らずのうちに影響を受けるものです。それは自分が意識しなくともそうだし、小さなころならなおさらです。健康状態についての問題がなく、受け入れ先に良いところが見つかれば統合教育はダウン症の子供にとってプラスに働くことでしょう。
少し話がそれますが、子犬を飼う時も一匹で飼ってしまうと喧嘩の加減がわからずに育ってしまい大人になった時に飼い主を異常な強さで噛んでしまうことがあるとかいいます。何が言いたいかというと、結局生きていく以上、他者との関係を避けて完全に一人でいるなんてことは無理で、どこかしらでその関係性やうまいやり方を学ぶ必要があるということです。

まず初めに通う通園施設は保育園または幼稚園だと思います。保育園の方が幼稚園よりも保育時間が長いのでしょうか。保育時間が長ければ長いほど、生活面での指導が期待できるかもしれません。短い時は保育終了後にプライベートな付き合いの時間を設けることができ、様々な経験をさせることが出来るかもしれません。自分にあった条件の保育施設を探しましょう。

よりよい統合教育に少しでもしていくために、いくつか気をつけておきたい事項があるようです。受け入れを希望する施設の保育者の数や受け入れ態勢、研修の有無などはその気にすべき項目の一つでしょう。園全体がダウン症のこどもの発達段階や特性、気を付けるべき事柄に関しての知識を持っていれば安心して預けることができますね。また子供同士がうまく関係を築けるかどうかは、その他の子供たちの保護者の理解があるかどうかにも大きく影響を受けます。保護者同士で情報を共有したり、保護者会などに積極的に参加することも大切なことです。また、その園が専門機関と連携を持っているかというのも気にするとよいかもしれません。場所によっては地域との協力体制を築けているところもあるそうです。調べられることは全部調べて、自分にとって最も良い園が見つけられるとよいですね。

 

学校教育、特別支援学校について

障害を持つ子供は、通常の教育形態を受けるだけでは持っている能力を活かしきれずに終わってしまうこともあります。初めの記事にも書いたと思いますが、健常児に比べて発達するスピードが遅いため、自分にあった速度の教育を受けていくことが大切なのでしょう。そういった子供たちに対応するために「特別支援学校」「特別支援学級」「通級による指導」という3種類の教育形態が存在しています。一般的に中度から重度と呼ばれるようなこどもたちが通うのが特別支援学校と呼ばれるところです。こどもに対する教員の数は手厚く、建物自体もかなり配慮されたつくりになっているため安心して通うことが出来るでしょう。特別支援学級は障害が比較的軽いこどものために小・中学校におかれている学級です。また必要に応じて通級指導教室に通いながら、普段は通常と同じ学級に在籍する通級と呼ばれるシステムもあります。しかし原則としてこのシステムでは知的障害はのぞかれているので、ダウン症の子供で通級指導を受けているこどもは少ないかもしれません。
これらのような仕組みを利用せずに、通常の学級に通うケースもあります。先に書いた幼稚園保育園でのケースと同じで統合教育としての利益をもたらす可能性がありますので、症状が軽度な場合の選択肢として十分にあり得るでしょう。しかしここで気にしなければならないのは通常学級にいることがその子にとって幸せかどうかということです。適切な手立てをしないままに、何も考えず通常の学級に入れてしまうことをダンピング(投げ込み)というようです。これは避けなければならない事態だと考えています。
自分にとってしんどいことに挑戦するということは成長するためには必要不可欠です。しかしながらそのしんどいことは、当たり前なことですが、とてもしんどいことなのです。何のためにやっているのかわからなくなるかもしれません。その先に本人の望むものがないかもしれません。一度ゆっくり考える時間を設ける必要があるかもしれません。重ねてになりますが全員が不幸になってしまう努力は絶対にしないでください。

 

 

 

今日の記事はここまでにしようと思います。今年はあと何回記事を書くのかなぁ。
またここでお会いしましょう。最後まで読んでくださってありがとうございました。

 

 

参考文献:玉井邦夫「ダウン症のこどもたちを正しく見守りながらサポートしよう」日東書院