「事業所における虐待防止体制の整備に向けて」を聴いたまとめ Part2

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理事長松上さんのお話の続きです。「虐待防止=支援のサービスの質を上げる」という観点から、マネジメント・ガバナンスの質について話してくださいました。

 「マネジメント・ガバナンスの質をどう上げるのか」

これは虐待事案を持つ事業所共通の課題であり、以下の問題点が挙げられる。

・意見があっても職場の隅々まで行き渡っていない
・虐待があっても上司や法人全体に伝わらないなど、組織として機能していない

そして、虐待防止は「すべての質を磨き上げること」として、6つの「質」を示してくださいました。

1.マネジメント・ガバナンスの質

介護職を辞めた直前の理由は、給与の不満よりも、「事業所の理念や運営に不満がある」ことの方が多い。
このことから「法人がどういうビジョン・理念を持って活動しているか」「その中で自分がどういう役割を担っているか」が重要だということがわかる。

北摂杉の子会では・・・

職員採用の際、5月に内定。その後5回くらい研修を行うが、その時に「どういう働きをしたいか」「どんな専門職として育っていきたいか」を聴くようにしている。1~2月に配属先を決めるが、必ずしも本人の希望に沿っているとは限らない。

その時には「個別面談」を行い、法人としての彼らへの期待を述べるようにしている。

例)子どもの療育支援をするには、まず成人期の人のことを知ることはとても重要。それを知っていると将来を見据えた支援ができるようになる。また親御さんに対しても、今この支援をしていることが将来の姿にどう結びつくのか、説明できるようになる。

紙切れ(辞令)をもらっても意味がない。大切なのは、職員に対して、個別に、「この役割を果たしてほしい」という期待を伝えること。

そういう「職員に対して直接思いを伝える」という法人の在り方・職場環境が、利用者支援にもつながるのではないか。だからこそ、日常的に個々への期待、役割分担、法人としての方向、ビジョンを明確に伝えていくことが大事。

法人には明確な理念・使命・ビジョンが必要だが、それを達成するには現場の力が必要

・私たちはなぜ存在するのか?(Why)
・私たちは何をなすべきなのか?(What)
・どのように実現するのか?(How)=オペレーション力を上げる

社会福祉法人は社会貢献をするのが仕事

制度ではなく、「ニーズに向き合う」
制度に従うのではなく、「制度を活用する」

北摂杉の子会では、発達障がいのある大学生を支援して就労へと繋げている。在学中の学生は「就労移行制度」を使えなかったので持ち出しだったが、「今そこに支援が必要な人がいる」ので、自分たちの専門性を活かし積極的に支援した。この実践を通じて、職員全員が法人の在り方を体感している。

理念を浸透させるには

理念 → 理事長方針 → 中期計画 → 事業計画 → 行動計画

のように、理念を日々の支援まで落とし込み、「PDCAサイクル」を回し続けることが大切。

2.財務の質

3.人材の質

施設関係者による虐待の中で、行動障害のある方への虐待が多い。

行動障害を誘発するのは、本人の問題ではなく環境の問題。また目に見えない障害なので具体的にどう対処していいかわからず、不適切な対応から行動障害を併発することもある。

専門性を身につけるために「強度行動障害」の研修ができたが、この目的は「地域生活」にあり、行動障害の改善の為ではないことを念頭に置いておく必要がある。

<対人援助専門職の育成>

・説明できる支援
・障がい特性の理解、特にアセスメント力を身につける
・スーパービジョン スーパーバイズの仕組みが必要

<求める人材像を明確にする>

<個人の研修計画>

外部スーパーバイザー」によるスーパービジョン>

支援がうまくいかないのは、同僚や上司との関係、家庭内の問題が原因であることも多い。外部の人でないと話しづらい。

<モチベーションを上げる>

・人事考課制度
・資格手当
・業務貢献表彰制度 表彰、法人全体研修の中でのプレゼンテーション。またその様子を機関誌に掲載。
・女性職員への配慮 産休、育児期の短時間労働など

4.サービスの質

福祉サービス=目に見えないサービス

提供すると同時に消滅するので、評価しにくい → マンネリ化しやすい

「利用者は常に変化している」「社会もサービスも変化していく」

マンネリを打破するには・・・

「業務の改善」をしていく

・仕組みづくり  会議や報告書を書くための時間を作る
・業務引継ぎ時の3分スピーチ  一人一人の個性や考え方がわかる
・看護師さんとの共通言語を作る 症状をわかりやすく説明するために絵の描かれたカードを使う
・記録を書くのが大事(いつ、どこで、どんな行動、その前の状況、職員の対応、その結果など。)これを集めて分析していく。
・リスクマネジメント対応 親御さんにも入ってもらい、共に協議する

ベースは「ノーマルな暮らし」。そのための支援であること。

5.設備・環境の質

一人一人のニーズに合わせる  例)音に弱い方の部屋は防音壁にする

臭いのしない、綺麗な環境を日常的に整えることが一番大事。

6.パートナーシップの質

法人の「理念」「使命・ミッション」「ビジョン」に基づいて、具体的に何をすればよいのか。

それを実現するために、「ステークホルダー・マネジメント」を行っていく。

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