「事業所における虐待防止体制の整備に向けて」を聴いたまとめ Part1

time 2017/09/20

「事業所における虐待防止体制の整備に向けて」を聴いたまとめ Part1

理事長松上さんが、具体的に「レジデンスなさはら」で起こった虐待事案を通して、北摂杉の子会の虐待防止の取り組みについてお話しくださいました。

虐待防止で大事なのは「通報」「体制整備」である。

どんなに一生懸命取り組んでいても虐待は起こりうる。
虐待事案を調査していくと、過去何年かに渡って虐待が発生していて通報されず、内部で処理されていることが見受けられる。
また虐待防止体制があったにもかかわらず、機能していなかった。

「レジデンスなさはら」での虐待事案への対応

食事(特に朝)の時、重い自閉症の方が食事を早く終わって要求カードを頻繁に渡すようになり、職員は他の方の介助もしなければならないので困ってしまった。ある時、熱いご飯を出してしまったら食事が遅かったのを見て、熱いご飯を出すと他の方の介助もできると思い、熱いご飯を出し続けてしまった。それをサービス管理責任者が発見した。

実際には職員は2人いて、相方に頼むこともできた。しかし、職員さん自身うまくコミュニケーションを取って人に頼みづらい特性があり、そのことに対する配慮も必要だったと思う。

虐待を発見した後の動きとしては、次のとおり。

1.サービス管理責任者から本人への事情聴取
2.管理者から理事長への報告
3.理事長から市の虐待防止センターへ通報
4.緊急のケース会議を開く

この時点では、松上さんは「心理的、身体的虐待」だと思っていた。
後に、市の担当部長から「身体的、心理的虐待+ネグレクト」と言われた。「利用者の人が今までゆっくり食事できていた状態からそんなに要求を出すようになったということは、かなり不安になっていたはず。状況の背後にある要因に対する気づきと対応が遅れたのはネグレクトに当たる」と。それを聞いて、なるほどと思った。

通報の際に重要なのは、「自分たちで判断しない」こと。「不適切な事案は通報する」こと。

利用者さんに対する支援としては、ケース会議を開き、要因を分析。特定できる要因から仮説を立て、それに対する支援計画を作り、職員で共有し、対応の統一を図った。その結果、ご本人の行動はすぐ改善されたとのこと。

職員に対しては、週に1回の定期的なスーパーバイズを行うことに。
また全体の職員にも、この事案を通しての虐待防止研修を実施した。

発覚した時点で、ご家族に謝罪すると共に、今後の対応についてご報告した。
また、グループホーム家族会へも同様のことを行う。

虐待防止委員会を開いて、原因分析と今後の対応について協議。

北摂杉の子会の虐待防止に関する具体的な3つの取り組み

1.基本理念をどのように組織に浸透させていくか

業務の振り返りチェックシートの活用=日常の業務を振り返るのが重要
2~3ヶ月に1回、管理者がまとめて職員に報告する。傾向を把握。「PDCAサイクル」を回す。
「レジデンスなさはら グループホーム3か条」の内容も、振り返りチェックシートに落とし込んでチェックしていく。

2.風通しの良い風土

閉鎖性を防ぐために、第三者の目が日常的に入る環境をつくる。

・実習生の受け入れ 「外から見てどうなのか」を知るために、アンケート調査をする。指摘されたことがあれば、本人にも結果を報告する。
・定期的に家族会を開く ユニット毎の懇親会では、施設で提供している食事を提供し、ご意見をいただく。

3.組織をあげた法人全体の取り組み

<権利擁護・虐待防止委員会の設置>
・2ヶ月に1回、委員会を開く
・研修をする

委員会を作るだけではダメ。どう支援に落とし込むかが大事。

中期計画ビジョン「人権を守る砦となる」を立てる

支援計画に落とし込む

日々の進捗管理

のように「PDCAサイクル」を回し続けること。

<虐待発生時の対応>
・事実関係を確認し、通報する。
・法人にも報告し、緊急対応をする。(心理的虐待にならないよう、職員をとりあえず現場からはずす。他部署への移動、自宅待機など。)
・すべての家族会にも報告する。その結果、かえってご家族からの信頼が増すことになった。

<虐待防止委員会だより(はなみずき)の発行>
・3ヶ月に1回
・活動の詳細を知ってもらうため、積極的に地元の虐待防止センターにも届けるようにしている

<ロールプレイで気づきを深める>
・普段支援する側にいるが、支援される立場になることによって気づくことが結構ある。利用者の方は私たちよりもエネルギーを使っているんだなぁ・・・

不適切な支援=虐待の芽
・摘み取って、適切な支援に変えていく

厚生労働省の示している「虐待防止マニュアル」をきちんとやっていくこと

この記事を書いた人

kamiine

kamiine

みんなが笑って暮らせるような社会になるといいなぁ〜と思っています。 楽器を弾くのが趣味???というより、むしろ自分自身の心の調律をしているのかもしれません。

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