2022.06.20

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強度行動障がいのある利用者支援①-こだわり行動との向き合い方-

こんにちは!

強度行動障がい者への支援は障がい者支援の中でも難易度が高いと言われています。強度行動障がい支援は他の障がい種と比べても知識や技術が求められます。そのため養成研修が各都道府県で行われています。

本シリーズでは、3回に分けて強度行動障がいの症状や支援方法について解説します。強度行動障がい者をこれから支援するけど分からないことだらけの方におすすめの記事です。

今回は強度行動障がい者のこだわりとその対処方法について解説します。障がいがある方がこだわり行動に対して上手く付き合うためには、支援者がそのこだわりを考慮した環境調整を行うことが求められます。

強度行動障がいがある方は、自分の思い通りにならないことがあると自傷行為に走ったり、他害行為を行います。例えば、自分の頭を壁に打ちつけたり、支援者に暴力を振るうことがあります。また、一度注意するとパニックになってしまい利用者が落ち着くのに時間がかかることがあるかもしれません。このような場面には彼らのこだわり行動が深く関係しています。

今回はその「強度行動障がい者のこだわり」への対処方法について解説します。

強度行動障がいとは

そもそも、強度行動障がいとは自閉症や知的障害の人が示す激しい行動で、強度のこだわり、自傷、他害、破壊、パニックなどが挙げられます。

正確な定義については以下の通りです。

『精神科的な診断として定義される群とは異なり、直接的他害(噛み付き、頭突き等)や、間接的他害(睡眠の乱れ、同一性の保持等)、自傷行為等が通常考えられない頻度と形式で出現し、その養育環境では著しく処遇の困難な者であり、行動的に定義される群』

(引用:行動障害児(者)研究会、1989年)

強度行動障がいとは、生まれつきの障がいではなく、自閉症者や知的障がい者が後天的になる障がいです。彼らの障がいに対して適切な支援ができていないことが強度行動障がいにつながります。

自閉症の3つの障がい特性について

支援をする上で、押さえておくべき自閉症者の障がい特性は3つあります。

こだわりの行動がある

自閉症者は、特定の物や動作にこだわる行動をすることがあります。例えば、同じ本を何度も読み直すことや、電車で同じ席にしか座らないことが挙げられます。自閉症者にとって、こだわり行動が出来ないことは大きなストレスです。作業の時間のため本を読むことが出来ない、お気に入りの席に既に誰かが座っていることが挙げられます。

コミュニケーションが苦手

自閉症者の中には言葉を理解することや自分の気持ちを言葉で表現することが苦手な人がいます。例えば、比喩をそのまま受け止めてしまうことや、言葉の言い回しが独特で相手に理解されないことが挙げられます。(参考:強度行動障害支援者養成研修【基礎研修】.2014)

社会的関係の理解が困難

自閉症者は周囲の状況や職員の表情を読み取って行動することが苦手な時があります。例えば、周囲の人々が作業をしているから自分も作業をしようと思い行動することや、どこに自分が座ればいいのか何をすればいいのかが分からないということが挙げられます。

本日は、こだわり行動への対応方法について述べていきます。

自閉症者のこだわり行動への対応

こだわり行動と事業所で求められる行動が衝突することがあると思います。そのような時に「今は作業の時間だから、早くこっちに来なさい」とこだわり行動を辞めさせようとするのはとても困難です。利用者本人がこだわりと上手く付き合うためには、環境調整が有効です。

環境調整は大きく分けて、2種類あります。

1つ目は、過ごしやすい場面設定です。こだわりやすい物や行動が出来る物を近くに置かないことで、利用者が作業に集中しやすい場面を作り出せることが出来ます。

2つ目は、こだわり行動に関するルール設定です。利用者にとって、動機の高い物や興味関心が強い物を活かすルール作りです。例えば、ジュースが好きな利用者に対して「この活動が終わったらジュースを飲んでもいいですよ」とこだわり行動をご褒美として使うことが挙げられます。

以上の2種類の環境調整を行うことで、利用者のこだわり行動を否定することなく支援を行えるようになります。

支援者の工夫と努力がこだわり行動を長所に変える

たまにテレビやネットなどで、こだわりを強みにした方が紹介されますが、彼らは好きにこだわることが出来たから強みにしたのでしょうか?その答えはNOです。

きちんと当事者や支援者がこだわりと向き合った結果として、彼らは強みを獲得できるのです。具体的には、こだわり行動を通じて、人から認められる作品を作ったり、社会的地位を得るに至った自閉症児・者には以下の3点が必須条件です。
当事者である利用者Aさんへの支援者の事例と共に確認してみましょう。

1.自閉症児・者のこだわり行動をきちんと【調整・管理】するマネージャーの存在があった

初対面の際にいきなり相手の名札を呼ぶことにこだわるAさん(利用者)。Aさんのマネージャーは即座に「Aさんは御宅様の名前が気になったんだと思います。お許しくださいね」と笑顔で説明します。

2.マネージャーが、当事者の信頼を得るために工夫と努力を積み重ねた

Aさんの水やトイレに対するこだわりを止めるのではなく、利用しようという発想と態度で接することにしました。具体的には、トイレ掃除・風呂掃除という水へのこだわりがを活かせる仕事に就くために支援を行いました。

3.当事者の「人や社会を意識して、それに答えたい」という気持ちを育んできたこと

Aさんに人に喜ばれることの尊さも教えていました。具体的には、地域の作品展や展覧会への出展を積極的に行いました。その甲斐あって、Aさんは「切り絵の仕事が嬉しい。みんなに見てもらう時、もっと嬉しい」と気持ちを表現してくれました

(参考:自閉症・アスペルガー症候群とこだわり行動への対処法.2008)

こだわりがある利用者が事業所で快適に過ごすためだけではなく、彼らのこだわりを長所にするように支援することもこだわり行動への介入は必要不可欠です。

Special Learningでは、障害者支援に役立つ知識を学べる!

今回は自閉症のある利用者のこだわり行動への対応方法をご紹介しました。

自閉症者への支援以外にも障害者施設で働く上では、知的障がい者への支援や介護方法など学ぶべきことが多数あります。

Special Learningでは、このように障害者施設で働く上で役立つ動画教材を700本以上配信しています。

今回紹介した強度行動障がいに関わる動画についても、計22本の動画を視聴可能です。

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お問い合わせ先
株式会社Lean on Me(リーンオンミー)
電話番号:072-648-4438