2016.12.29

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障がい者支援水準が高い、オレゴン方針。

アメリカ合衆国オレゴン州

障がいのある人と関わることが多かった代表志村は、以前より障がい者支援レベルが高いと聞いていたアメリカ合衆国オレゴン州で、その支援レベルの高さを経験するために2015年4月~5月の一か月間滞在しました。

オレゴンにおける障がい者支援の歴史

1)   1950年代

1950年代までのオレゴン州では障がいのある人を全員病院に入院させて、ベッドに手足を縛って監禁するなど、人権が守られていない環境下におかれていました。しかし、1960年代に公民権法が制定されて、黒人と並んで差別の対象とされていた障がいのある人にも公民権が認められる基盤が確立されはじめたのです。

2)   1970年代

1970年代には、隣接するカリフォルニア州で取り組まれはじめたピアカウンセリング(精神的サポートと情報提供を含むカウンセリング姿勢のこと)を他州に先駆けて取り入れたとみられており、障がい者支援とその支援を行う人の知識・技能・地位の向上に力を入れていくこととなったようです。

3)   ~現在

現在オレゴン州では多くの施設や行政施策が制定されており、州民の約1/3が障がいのある人という、障がい者との共生先進地域であるといえます。

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オレゴン方針

1)   6つの視点とハウスルール

オレゴン方針は体系的にまとめられた教育プログラムで、「1.SAFETY(安全面)」「2.HEALTH(健康面)」「3.RIGHTS(人権・法律面)」「4.VALUES(価値)」「5.ORGANIZATION(組織)」「6.MANAGEMENT(管理)」の6視点からプログラムが構築されており、これら6つの視点から支援者の就業状況(初任者・管理者など)に応じて講習の受講や検定を受検することなどが義務付けられています

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このオレゴン方針に加えて、各施設がハウスルールと呼ばれる独自のルールを教育方針に設定し、常に最新かつ高水準の教育を展開し続けています。ハウスルールは主に他人に迷惑をかけない・反社会的な行為をしないといった観点から作られているものが多かったです。

2)   支援を求める移住者

オレゴン方針とハウスルールによって支援者の知識・実技水準が高く維持されていることで、支援水準と生活環境が高度に維持されているため、オレゴンには近隣地域から障がい者が移住してくる数が非常に多いということがわかりました。この数値は非常に驚異的で、地域ぐるみでの障がい者支援が成立していなければ破たんしてしまう人口ともいえます。

3)   日本とオレゴンにおける障がい者虐待

さらに日本とオレゴンの障がい者虐待の比率を比較しました。比較の軸となるのは養護者(保護者やそれに準ずる人物)と支援者(施設従事者)における虐待の分類割合です(オレゴン州の統計においては「無資格者(養護者)」と「資格保有者(支援者)」と分類されています)。特徴的だったのは、オレゴン州において支援者による身体的虐待の比率が非常に低かったことです。このことからも、支援者の支援水準が非常に高いことがうかがえます。

キャプチャ

弊社のサービス

昨今、障がい者支援施設での虐待が騒がれています。離職率が高く人手不足が目立つ業界の為、入社後の研修が無いことも多く、「現場で覚える」スタイルで運営されています。その結果、虐待であると気付かずに虐待をしているケースがみられます。
弊社が目指す「障がい者にやさしい街づくり」を実現するために、アメリカ合衆国オレゴン州をモデルにしたいと考えています。
オレゴン州では障がい者支援者に体系的にまとめられた研修プログラムを受講することが義務付けられており、支援者の知識・実技水準を高く維持しています。
この体系的な研修をもとに、カリキュラムコンテンツ日本向けにアレンジした障害福祉支援者向け研修を弊社が提供します。